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2017年 池田屋『子ども思いの森 生きるちからファンド』助成団体決定のお知らせ

日時2017/6/2(Fri)
活動報告

この度の2017年『子ども思いの森 生きるちからファンド』につきまして、締め切り日の2017年4月23日までに計34件(35事業)のご申請をいただきました。
全国各地の団体・個人の皆さまよりご申請いただけたこと、まずは深く御礼申し上げます。

今回は、音楽や演劇といった芸術関連の事業や、野外活動をメインとした事業のほか、地域との関わりを重視している事業が、昨年に比べ多く集まりました。

魅力的な事業ばかりで、今年も選考に苦慮いたしましたが、3度にわたる厳正なる審査の結果、下記8団体(敬称略)に対して、助成金交付を決定いたしました。

簡単にではありますが、助成が決定した各団体の紹介をさせていただきます。

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★神戸中央おやこ劇場

「子ども達が自ら楽しんで、想像力や創造力を高める機会を提供すること」を目的に活動する、兵庫県神戸市の団体さんです。

今回助成が決定した事業は「野外活動体験」です。

“自然の中”という環境で、季節を感じる野外遊びや、工作や料理などの作って楽しむものづくり活動に、専門の指導者から手ほどきを受けながら、子どもたちが挑戦します。

①わくわくキャンプ(7/16~17:一泊キャンプ)
→カレー作り、ゲーム体験、星観察、影絵あそび
 火おこし体験(小学生以上)など

②焼き芋とリース作り
→焼き芋作り、集団遊び、
 木の実など自然の素材を使ったリース作り

③ピザ作り
→ピザ作り、集団あそび

また、上記の野外活動事業とは別に、7月に行われる「わくわくキャンプ」に参加した子どもたちから集めた感想を元に、詩集CDを作成する企画もあるそうです。

この詩集CD作成には、専門学校の先生と学生の協力するとのこと。質の高い詩集CDの完成が楽しみです。

神戸中央おやこ劇場さんは、野外活動の他にも、プロによる舞台劇や人形劇などの鑑賞会やおやこまつりなど、地域や年齢を超えた仲間と楽しい体験ができる場所作りを行っています。

▽神戸中央おやこ劇場さん 公式サイト
http://chuo-oyako.sakura.ne.jp/

2017年『子ども思いの森 生きるちからファンド』 神戸中央おやこ劇場
2017年『子ども思いの森 生きるちからファンド』 神戸中央おやこ劇場

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★木育x音楽プロジェクトチーム

木のぬくもりに触れ、木に親しむ「木育(もくいく)」の普及を目的に活動をされている、北海道の団体さんです。

今回は、木育と音楽を融合させたワークショップを丸1日かけて開催します。

地域特産の木材(間伐材)で、ギロやウィンドチャイムなどの楽器を作り、その後、自分で作った楽器を使ってコンサートを行います。(コンサートは一般公開:入場無料)

木のぬくもりに触れることで、木の良さやものづくりの楽しさを知ることができるのはもちろん、地域特産の材料を使うことで、自分たちの地域に対する思いも芽生えます。

また、作った楽器を実際に人前で演奏することで、言葉以外で表現することを、身をもって体験出来ます。

ワークショップの講師は、プロのピアニストと現代美術家兼デザイナーである、団体メンバーが担当。実力のある講師による、質の高いワークショップが期待できます。

・「木育」とは
平成18年に「森林・林業基本計画」の林産物の供給及び利用の確保に関する施策の一つに「木材利用に関する教育活動(木育)の促進」と明記されました。これが国レベルでの木育の始まりとなっています。

▽木育×音楽プロジェクトチームさん 公式サイト
http://mokuiku-ongaku-project.yumi-nagasaki.com/

2017年『子ども思いの森 生きるちからファンド』 木育x音楽プロジェクトチーム

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★NPO法人 音楽文化芸術振興会

音楽や公演に関する事業を行い、学児童の情操教育や高齢者支援などによって、地域活動に寄与することを目的としている団体さんです。

今回助成が決定したのは、地元住民との繋がりを大切にした、子ども達が自ら進んで行動できる「イベント事業」の実施です。
全部で5種の企画があり、それぞれで子どもたちと地域住民が接点を持てる工夫がされています。

①お化け屋敷をつくり隊(8月実施:2日間)
 子どもたちがお化け屋敷を作る。
 作った屋敷を町のお祭りで地域の人に披露する

②街のなぞとき探検隊(10月)
 カードに書かれた謎や質問を解いて街の魅力を発見する。
 地域や商店街の人に協力を得て行う。

③ステージ裏探検隊(来年1月)
 一心寺シアター(大阪市内の劇場)の舞台裏探検&プロのアーティストのリハーサル体験

④宝探しに行き隊(来年3月)
 チームに分かれて、仲間と一緒に宝地図に書かれた問題を解いて宝物を見つける。

⑤落書き消し隊(来年4月)
 落書き消しの専門家から、壁やシャッターの落書き消しの指導を受けるほか、職業インタビューも行う。

なお、これらの企画を体験した後には、感想を他イベントにて発表する機会も設けているとのこと。

地域住民との関わりを大切にした企画にすることで、子どもたちが地元との繋がりを感じられるだけでなく、そこから学んだことを外に発信するという機会も設けるなど、子どもたちの「繋がる力」も伸ばせる企画として期待しています。

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★NPO法人 子どもと文化NPO東村山子ども劇場

子どもと大人を対象に、芸術文化体験や自然体験、遊び・表現・学びの機会を通じた創造的活動を行い、子どもたちが心豊かに育つ地域の形成と市民文化の向上に寄与することを目的に活動されている団体さんです。

助成が決定した「東村山子ども演劇プロジェクト」は、既存の台本を使わず、子どもたちの発想を元にオリジナルの舞台を作成し、それを子どもたち自身が上演する、というもの。

子どもたちの考えていることや、感じていることなどを引き出せるよう、経験豊富な講師陣が指導にあたり、約三ヶ月に渡って、身体の動かし方や声の出し方などの基本的な表現方法を学ぶワークショップを行い、仲間とコミュニケーションを取り合いながら、舞台創作を行います。

子どもたちは、舞台に立つという経験をすることで、自信を持ち自分の意見を言えるようになります。

また、年齢も立場も違う子どもと大人でも、共通の目的を持つことで仲間との絆を感じられるほか、保護者も可能な範囲で役割を担うことで、子どもだけではなく家族同士の繋がりも増え、それが地域全体の繋がりになると考えています。

▽東村山子ども劇場 公式サイト
http://www.hmy-kogeki.com/

2017年『子ども思いの森 生きるちからファンド』 東村山子ども劇場
2017年『子ども思いの森 生きるちからファンド』 東村山子ども劇場

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★NPO法人 ZEROキッズ

・子どもたちが本来持っている「そうぞう(想像・創造)力」を大切に育てること
・学校や学年をこえた「居場所」を作り、異年齢の仲間を作ること
・子どもたちが持っている素晴らしい文化を創り、地域をつなぐこと
以上を目的として活動されている、東京都の団体さんです。

今回助成が決定したミュージカル「地球ファンタジー 海のふ・し・ぎ」は、海の合宿や水族館に行った体験や、図書館やインターネットで調べたことを元に、子どもたちが物語を作ります。
その後、作った物語を子どもたち自らがミュージカル舞台として出演します。

また、演者として出演するのはもちろん、衣装のデザイン、ポスター作成のための素材作りなども、専門の講師に手ほどきを受けながら、子ども達がワークショップ形式で挑戦します。

演劇や歌、ダンスという身体表現だけでなく、歌の詩を創ったり、自分の衣装のデザインを考えたりと、多方面で表現する力を使うほか、自分たちで舞台を作り上げることで、一人一人の力を集めることの力の大きさを学べます。

またこれらの体験をすることで、普段接点のない、他校の児童との交流も生まれ、そこから新しいコミュニティが生まれていきます。

▽ZEROキッズ 公式サイト
http://www.c-c-cnet.org/index.html

2017年『子ども思いの森 生きるちからファンド』 ZEROキッズ
2017年『子ども思いの森 生きるちからファンド』 ZEROキッズ

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★キンダーフィルムフェスト・きょうと

映画を通して、以下を子どもたちに学んでもらうことを目的として活動されている、京都府の団体さんです。
・映画文化の奥深さを知る
・他国の多様な文化、習慣の理解
・自主性、創造性、コミュニケーション能力の向上

今回助成が決まった「京都国際子ども映画祭」は、23回目を迎える、実績ある事業です。

3日間に渡り開催される映画祭では、下記のような企画が予定されています。

①子どもを対象とした海外の作品の上映会
 ・日本の劇場では観ることが出来ない海外の作品を含めた、約10作品の上映

②子どもスタッフ体験
 ・映画吹き替えワークショップ
  →映画祭当日に、英語字幕のみの無声映画に、
   事前にワークショップを受けた子どもが吹き替えを行う(活弁士体験)
 ・映像作成ワークショップ
  →映画祭当日のオープニングセレモニーで流す映像を作成する。
   いつ、どこで、どんな作品を撮影するのかは、子どもたちが決める。
 ・セレモニーの司会進行や、事前の広報活動への参加
  →映画祭当日に呼ぶ海外からのゲストに対するインタビューなどの司会進行のほか、映画祭の広報活動などを大人スタッフと共に行う

③子ども審査員体験
 ・作品を鑑賞後に子どもたち同士で意見交換をし、 グランプリ作品を決める

ただ「映画を見て終わり」ではなく、スタッフ体験や審査員体験など、「どうすれば自分の伝えたいことが、相手に伝わるのか」と考える機会もある、注目度の高い企画です。
“映画”というユニークな要素を最大限に活かして、子どもたちの「生きる力」を育ててもらいたいと思います。

▽キンダーフィルムフェスト・きょうと 公式サイト
https://www.kff-kyoto.com/

2017年『子ども思いの森 生きるちからファンド』 キンダーフィルムフェストきょうと
2017年『子ども思いの森 生きるちからファンド』 キンダーフィルムフェストきょうと

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★特定非営利活動法人 まちなびや

「子どもと地域をつなぐ」を掲げ、地域を巻き込んだ企画事業を展開する、静岡県静岡市の団体さんです。

静岡市のまちのお仕事図鑑「コドモンデ」の発行・配布や、子どもの居場所作りのための駄菓子屋の運営など、様々な活動をされています。

今回ご申請いただいた事業は、子どもたちが「子ども店長」として自分の店を企画し、実際に地域の方を対象に商品やサービスを提供する体験をするというもの。

しかし、ただお店屋さんごっこをするだけでは終わりません。
出店当日は「本物の10円」を通貨として使用します。

そして売上は、子ども達が市内のNPO団体のプレゼンを聞き、投票を行った上で各団体へ寄付されます。

また、信用金庫の協力もあり、お金に関してしっかり学ぶ機会も設けている点も◎

想像力やコミュニケーション能力だけでなく、子ども達の自尊心も高められそうなこの事業。

昨年も助成させていただきましたが、今回は開催数を増やすとのことで、よりたくさんの子供たちに、この事業に体験してもらいたいなと思います。

▽まちなびやさん 公式サイト
http://machinabiya.com/

2017年『子ども思いの森 生きるちからファンド』 まちなびや
2017年『子ども思いの森 生きるちからファンド』 まちなびや

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★赤鼻アネックス

静岡大道芸ワールドカップで輩出したクラウン(道化師)を、静岡にもっと根付かせようと活動する団体さんです。

今回助成が決定した事業では、クラウンメソッドを用いた、コミュニケーション能力を育成するワークショップを8回に渡り開催します。

子どもたちは、アイコンタクトゲームなどのコミュニケーショントレーニングや、想像力や感性を働かせる即興表現の方法などを学び、他人とのコミュニケーションに必要な「繋がる力」を育みます。

ワークショップ講師には、10年以上のクラウン経験を持つ団体メンバー携わるほか、8回のワークショップの内、3回をクラウン界で大人気の「オープンセサミ」さんを招致するとのこと。
経験豊富な講師陣から、質の高いワークショップの実施が期待できます。

また、最後には成果発表会として、オープンセサミさんの行うショーに子どもたちも参加!
プロと同じ舞台に立つ体験は、子どもたちの自信になるだけではなく、参加した子どもたち同士の繋がりも深めます。

2017年『子ども思いの森 生きるちからファンド』 赤鼻アネックス
2017年『子ども思いの森 生きるちからファンド』 赤鼻アネックス

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以上が、今回助成が決定した団体となります。

それぞれ違ったユニークさがある事業が集まりました。
その個性を存分に発揮して、子どもたちの「生きる力」を育んでいただきたいと思います。

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